連絡先 電話:03-5987-2967・FAX:03-5687-1832
トピックス

コラムお知らせニュース・機関紙

【15.07.29】東京都の最低賃金が900円を超える。福祉現場はどうする、どうなる2?

それでも年間200万円未満〜これで都内でくらせるのか?〜

 資料として、2003年〜2015年の東京都内の最低賃金の推移と推定月収および年収を作成した。2003年を100とした場合、最低賃金は128.1と3割近く引き上げられた。
 しかし、福祉職場で最低時給が2割以上この間引き上げられたという話はとんときかない。
 むしろ、人材確保のために最低賃金よりも高い給与水準で職員を募集していたはずが、世間の水準が引きあがるなかで追いつき、追い越されたというのが現状ではなかろうか。
 「はたらきがい」とかそんな甘っちょろいものではなく、生きるために必要なお金を得るために働く多くの都民のなかに、福祉施設や介護職場で積極的にはたらこうという意思を持つ人は少なくなって当然の結果になりつつある。
 今年4月国は介護報酬の実質マイナス改定、障害者施設もゼロ改定をおこなった。「人材確保のための加算はした」と強弁しているが、総収入が減るなかで大幅な賃金引上げは不可能だ。
 賃上げの必要性が求められている下での福祉への冷たい仕打ちの影響は、今回の最低賃金の引き上げでさらに増幅される危険がある。声をひとつに「福祉職場に運営費・補助金・介護報酬などの緊急増を」の声をあげないといけないと思う。
 もうひとつ、最低賃金の907円自体が、いまだ歓迎されるほどのレベルではないということを確認する必要がある。1日8時間、週40時間。日本国民としての労働時間の上限まで働いても年収は200万円いかない。東京都内で200万円で自立して生きていくことができるだろうか。さらに、これに保険料や税金がかかる。
 福祉職場だけの問題でなく、最低賃金のさらなる抜本的な引き上げが求められる。

bt_20150729151219.pdf

▲ このページの先頭にもどる