
【15.07.14】国立競技場は東京都庁から学ぶべき
管理費年間50億円以上!バブルの塔
国立競技場のデザインと建設費高騰問題を考えるに当たり、東京都には2つの大きな教訓がある。
ひとつは新宿にそびえたつ2つの大きな「バブルの塔」こと東京都庁1・2庁舎と都議会議事堂だ。当時有名な建築家の丹下健三氏がデザインし、建設費は約1600億円!時はバブル経済のまっさかりであったこともあり、強い反発はなかったが不況の時代になるにつれ大きな問題が次々と発覚する。21世紀に入り、都庁舎の劣化が顕在化してきた。外壁や屋上が劣化してあちこちで雨漏りがするなど、信じられない事態が生じてきたのだ。
さらにシンプルなデザインのビルならたとえばビルの窓ふきなどもクレーンが少なくてもよいが、デザイン重視の凸凹構造ではクレーン台数もたくさん要し、年間の維持費が40億とも50億ともいわれる状況だ。
2008年に試算した結果、都庁の延命工事には1300億円を要する。立て替えたほうがましかもというような額だ。もちろん、こうしたことに使われる費用は都民の税金だ。
見てくれ重視は後々も大損をするという教訓を実はいまも都民は背負っているのだ。
いまも都庁ではあちこちで工事をしている。職員が働いているフロアは節電で廊下も真っ暗といった具合だ。一度都庁をご覧あれ