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【15.06.15】労働相談の現場から

やめたいけどやめられない・・・

 ある保育士のご家族からSOSの電話がきました「このままでは娘が死んでしまう」。
話を聞くと、年度がかわってからというもの、その保育士は始発電車に乗って終電車で帰ってくる毎日。終電車のなかで起きられず寝過ごしたということもあり、いてもたってもいられなくなったとのこと。本人は「日常保育の準備や行事のことで仕事が終わらない。企画をつくっても会議で否定されてやり直しばかり・・」という。
家族は「そんなにしんどいなら退職すればいい」と以前言ったそうですが、園長が「やめたらブラックリストに載せて働けなくしてやる」「保育士資格をはく奪してやる」などと脅されて仕方なく働いてきたそうです。
 私は家族と相談のうえ、まず精神科に受診させて正常じゃなければ休業をすすめることを提案しました。そして少し落ち着いた状態で今後を考えることにしました。
 数か月休業した後、本人は落ち着いた状況になり、家族とも話し合い退職することをすすめました。保育士資格を園長がはく奪することなどできない。ブラックリストなど存在しないと説明し、家族と職場に退職届けを出しに行くようにしました。
 案の上、園長は必死に退職することを阻もうとしました。本人だけであればまた働き心身の調子が崩れたかもしれません。しかし、家族が事情を話し退職をすることができました。
 園長は退職を承認した後も「名前を貸してほしい」とも言ってきたそうです。本当に許せません。
 
 退職強要とは逆に「やめたいけどやめられない」という相談もあります。「名前を貸してほしい」というようなぎりぎりの人員状況のなかで、保育園の見栄えなどをよくするために装飾や行事を盛大におこない、そのために何もしらない保育士をだましながら早朝から深夜まで働かせる。。。
 これが21世紀の保育の現場なのかと耳を疑いたくなるような実態です。
 幸い相談にきた保育士さんは、しばらくの療養のもと再び別の保育現場で働くことができるようになりました。
 家族、友人が異常に気付いてあげることもたいせつです。



(お断り:特定されないよう、少々脚色しております)

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