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【13.03.11】「貧すれば鈍する」からなのか・・・

労働相談・団体交渉で信じられない実態がいくつも

 いま、まさに春闘まっさかりである。とともに労働相談も多くなる今日この頃。
 毎日のように電話での相談や、職場への団体交渉などに忙しい。
 介護保険から干支もひとめぐり、障害者自立支援法施行からも8年が経とうとしている今、かつてからは信じられないような福祉現場の劣化がみられる。
 ここ最近の事例を2つほど。
 半月ほど前のある障害者施設の団体交渉でのこと。欠員つづきで利用者家族に謝罪をするほどの施設にあって、大卒予定の学生を「補欠採用するかもしれない」という言葉で期待を持たせ、人手不足のなか無償のボランティアとして介助を手伝わせていた実態が明らかになった。組合側は当然雇用せよと主張したが、法人は「採用はしない。」との回答。ならなぜ、期待を持たせてボランティアをさせ続けていたのか?怒りを抑えきれなかった。
 
 もうひとつこれは高齢者福祉施設の話。組合役員の非正規労働者にパワハラをして、謝罪までした経営者が、舌のねも乾かぬうちに今度は人事考課を導入したいといってきた。人事考課・能力給に反対するのはもちろんだが、人を評価する以前の問題を抱えた人間が恥ずかしげもなくこのような提案をしてくることに心底呆れてしまう。現場で働いている組合員はなおさらだろう。

 「アベノミクス」で賃上げの風潮が世間では起きているのかもしれないが、福祉の業界ではこのような非常識な問題が山積している。繰り返すが、10年前では考えられない実態がいま現場で起きている。

 デイサービスにやってくる高齢者を「お客様」と呼ぶ事業所も増えてた。保育所が新システムにより営利化・市場化されたら「お子様、お母様」と呼ぶことを強要されるのだろうか。
 福祉が福祉であるために、私たちは働き続けなければならない。働き続けられる環境整備をさらにすすめていく必要性がある。
 

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