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【13.01.10】生活保護バッシング。でもよく見ると・・・

不正受給は「激増」なんかしていない。

 新しい政権のもとで、生活保護の引き下げと、給付のしめつけがきつくなっています。そのバッシングの発端となったのは、TVタレントの親族が生活保護を受給しているとのことからでした。その後、「不正受給が激増」しているなどの論調がネットのなかでも広がりましたが、本当にそうなんでしょうか。検証する必要があります。
(1)不正受給は「激増」なんかしていない。
 厚生労働省の課長会議の資料によると、生活保護の不正受給件数とその割合は、2007年15,979件(全体の1.44%)2010年は25,355(全体の1・8%)と「増加」はしていますが「激増」はしていません。
(2)不正と認定された中には「不正」とまでは言えないものも含まれる。
 制度を知っていて悪意をもって生活保護の不正受給をしたことは決して許しませんが、「不正」と認定されたケースのなかには、例えば受給世帯の子ども(学生)が、アルバイトで得た収入を報告し忘れてしまっていた。などのミスも含まれます。
(3)そもそも生活保護受給に際し、「扶養義務」は要件にない。
 生活保護を受ける際に、親兄弟あるいは子どもの扶養義務は要件にないからです。だからこそ、バッシングをうけたTVタレントは「違法」だとは問われていません。「お金をたくさんもらっているのに」とか「子どもなら当たり前でしょうが」というヒステリックな論調が世論を支配する中でこの大切なポイントが霞みました。ちなみに、他国でこのバッシングは通用するでしょうか?おそらく圧倒的多くの先進国ではナンセンスとされるでしょう。

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