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コラム保育

9月20日 東京新聞「学童 苦しい保護者運営・・・」

20年以上前の思い出と重ね合わせて

 今日の東京新聞の記事に、名古屋市内の学童保育の現状が紹介されていた。
(HP⇒http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2012092002000113.html)
 実は私は学生時代(20年以上前)、名古屋市内の共同型の学童保育で4年間、子どもの夏休みや冬休みなど休業中のアルバイトをしていた。あらためて今日の新聞記事を読んで、当時とまったく変わらない保護者や指導員さんの大変さにショックをうけた。
 私がバイトをしていた学童保育所は古い2DKの民家に1年生から6年生までの子どもが近くの3つの小学校から40名ほど集まってきていた。なかには大きな幹線道路を学区を超えて通う1年生もいた。夏休みは昼寝の時間をつくっていたが、テーブルを4つ上に重ねても、全員が横になることができず、重ねたテーブルの下に潜り込んで寝る子や職員の机の下で横になる子もいた。遊び場も近くになく、前の道路で遊ばせていた。車と接触しそうになる場面も1度だけではない。保育所内で8ミリ映画を上映した際、スクリーン代わりの布団のシーツに本物のネズミのシルエットが写り、大騒動になったこともある。市に対して保護者も指導員も交渉をしていたが、市は本当に無責任だった。劣悪な保育環境のなかで最善の発達保障をと、さまざまな財政活動をおこなっていた。子どももリヤカーを引っ張り古紙の回収をやっていた。近所の学童保育所も同じような運営で、高速道路のガード下にプレハブをたてて運営していたところもあった。
 

 ご存知のとおり、学童保育は1997年に児童福祉法の事業の一つとして位置付けられた。法的拘束力のない国のガイドラインがあり、今回法改正により、市町村の条例で基準を定めることとなった。しかし、なぜ私が20年前に経験したままの状態が続いているのだろう。
 それは、国による「公的責任」「最低基準」「財政措置」が整っていないという点。そして市町村の運営責任が「努力義務」のままである点にある。
 福祉保育労としても、さきの全国大会で学童・児童館施策に対する要求を決定した。
 東京地本のなかでは、学童・児童館にかかわる労働者は、まだまだ少ないが、要求の実現をめざし、奮闘していきたい。(國米)
 

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