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【11.05.20】【コラム】神話の崩壊、変化の始まり

変化を力に、前にすすんでいこう

 原発の「安全神話」が崩れました。神話とは辞書で2つの意味があって、その1つは、「実体は明らかでないのに、長い間人々によって絶対のものと信じこまれてきた事柄」を指します。

 これまでその危険性が再三指摘されてきたにもかかわらず、原子力発電を批判する声を「反政府」的な扱いとして、政府・与党が耳を一切傾けてこなかった歴史があります。また、電気事業の独占体制のなかで電力会社が安全キャンペーンをはり、その危険性や批判を抑えてきたことも事実です。

 スポーツライターの玉木正之さんは、東京電力ではない別の電力会社の広告にかかわって、意見を言うインタビューの仕事のギャラが1回500万円だったと明らかにしています(仕事は辞退)。「原発の重要性を語らせるつもりなら私は不向き」「高額ギャラは口止め料のつもりだと思った」(東京新聞5/17)と語っています。

 同記事では、原発の危険性を警告している学者が出演したドキュメンタリーが放送されると、「電力会社が抗議して放送局の番組から広告を引き揚げた」ことにもふれています。マスコミへの広告・宣伝費は東京電力だけで約90億円、交際費は20億円以上(09年度)という事実が東京電力の清水社長の国会答弁で5月に示されました。

 原子力発電を受け入れる自治体への補助金・交付金だけでなく、札束を手に広告・宣伝を強めることで、安全神話をつくりあげてきたということがいえないでしょうか。

 福島原発の危険性が日々明らかになるにつれ、さらにこれまでのタブーが崩れ、不安と世論の批判が高まるなかで、菅首相も浜岡原発の停止を決断せざるを得なくなりました。世論調査でも、脱原発へと踏み出そうとする向きへの変化が少しずつ強まってきています。変化を力に考えあい、前にすすんでいきましょう。

(by T)

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