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【コラム】石原都政の姿勢を問う

〜7月の2度の交渉からみえたこと〜

 福祉保育労東京地本として7月29日に、また同保育協議会として7月23日に東京都との年1回の交渉を行った。99年に「何がぜいたくかと言えば、まず福祉」と言い放った石原慎太郎氏が都知事になって、12回目の夏。

 全体の交渉では、福祉人材の確保・定着の現状認識がどうか、そして東京都としての独自補助、実態調査と健康対策の必要性を訴えた。都側は、人材確保がままならない状況について「一時よりは落ち着いたという印象」「保育所運営費や介護報酬などの引き上げについては国に重ねて要望している」「東京都としてさらに人件費をあげるために補助を行うことは考えていない」などと突き放す答弁を繰り返した。

 昨年の交渉では、対策をどうするかは別にしても、「人材確保・定着がままならないことについて、さまざまな要因があるが、主な要因は賃金が低く、労働実態が厳しいことにある」とし、私たちと認識は一致していたにもかかわらず。また、メンタルシック(心の病)が目立つなどで保育内容に影響が出ているとして、東京都が区市町村を通じて把握・対応しているケースだけでも十数件あるということが今回明らかにされた。しかし、それらを氷山の一角と受け止めて、指導監査を強めたり、新たに独自対策を行ったり、労働実態を把握したりすることも、現時点で考えていないということもはっきりした。

 都は保育制度をめぐっても、契約制度の導入と保育料の自由設定、認証保育所の国制度化を重ねて国に要望しているが、就学前の子どもを持つ保護者の44%が保育所利用を希望しながら32%しか利用できていないということをあげるだけで、「現行の認可保育所の利用者にメリットはあるのか」という問いに、考え込んで「なかには枠が足りないと思う人もいる」程度の答えしか返ってこなかった。

 職員の経験年数を否定する補助再構築を行った当時の総務部長は、現在副知事にまでのぼりつめた。現場から厳しさの根源である石原都政に「おかしい」という声をあげ、8ヵ月後に迫ってきた東京都知事選にむけて、その流れを変えなければ。
(T)

〔「しぇいくはんど」2010/7/31号より〕

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